タグ別アーカイブ: 郡司宏

木村浩之個展、成田朱希・内藤瑶子による2人展、渡辺つぶら雑誌掲載などなど、人人会作家のお知らせ

7月〜8月にかけて開催される人人会作家の展示情報をご紹介します。暑い最中、湿度も高いと大変ですが、ぜひぜひご高覧下さいませ。


◉「ArtWork7  木村浩之 日本画展」

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  • 2018年7月19日(木)~7月25日(水)10:00~19:00 最終日は17:00閉場
  • 渋谷・東急本店8階美術ギャラリーにて(〒150-8019 東京都渋谷区道玄坂2-24-1TEL & FAX / 03-3477-3111)
    • (個展DMより)日本の国技相撲を題材にした絵画をはじめ、ユーモラスなテラコッタの力士像、そして美しい日本の風土を繊細なタッチで描いた風景画の数々を展示いたします。

渡辺つぶら「少々異端派なアートマガジン、ExtrART(エクストラート)」に掲載。

『ExtrART file17 』「説話的世界へようこそ」にて作品が掲載されています。「豊満な日本の神様たちが生き生きと演じる物語」と文章を志賀信夫さんが書いて下さっているそうです。

つぶらさんはWEBマガジン“Bonjour 50’s”アートギャラリー」コーナーに記事を執筆されていますので、ぜひこちらもあわせてご覧ください!

ExtrART file.17 (FEATURE:説話的世界へようこそ)
アトリエサード (2018-06-25)
売り上げランキング: 155,409

 


◉パークホテル東京 ART colours Vol.26 「ー井の底ー 成田朱希×内藤瑶子 展」

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  • パークホテル東京25F/31Fラウンジ(汐留)にて
    日本の四季をアートと共に楽しむ展示会ART coloursの第25弾として、成田朱希×内藤瑶子「井の底」展が開催されます。パークホテル東京のアーティスト・イン・ホテル プロジェクトでそれぞれ「芸者金魚」「鯉」という魚の名の客室を制作して人気を博している二人の作家によるコラボレーション展です。(パークホテルのウエブサイトより)

宿泊の方以外でも入れます。お気軽にお越しくださいませ。新橋駅から歩いてすぐ、共同通信ビルの25階からがパークホテルになります。


◉「第9回うちわと風鈴展」2018.7.4(水)~ 7.14(土)会期中無休

木村浩之、郡司 宏 、古茂田杏子、田端麻子、内藤瑶子、西川芳孝(敬称略)、また前回の人人展に参加してくださった宇里香菜さんなど沢山の人人関連作家が参加しています。

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ギャラリーアビアントにて(〒130-0001東京都墨田区吾妻橋1-23-30リバーピア吾妻橋1F


◉亀井三千代、馬籠伸郎ほか 第7回 座の会展『座2018』Avant-Garde

去年もご紹介した「座の会」。パンフレットの文章↑も素晴らしかったので、ご一読をおすすめします!

以下座の会WEBサイトより)座の会は、20代から70代の日本画・漆技法などの作家、現代美術系作家によるグループ展です。7/21(土)には美術評論家の野口玲一氏・藤田一人氏をお招きして出品作家と車座になりギャラリートークとオープニングパーティーを行います。

会期 : 7月21日(土)〜8月1日(水)
★7月26日(木)休館
会場 : O美術館 (JR線・りんかい線 大崎駅から1分、大崎ニューシティ2号館2階)
アクセスマップ : http://www.shinagawa-culture.or.jp/hp/page000001500/hpg000001414.htm
TEL : 03(3495)4040
時間 : 10:00〜18:30 (入館は18:00まで)
★最終日16:00まで

《イベント① : 7月21日(土)》
★13:30~15:30 ギャラリートーク (ゲスト 藤田一人・野口玲一氏氏を交え出品作家と車座トークを開催します。)
★16:00〜18:00 オープニングパーティー

《イベント② : 8月1日(水)》
★最終日にシークレットゲストを加えたゲリラトークを行う予定です!さて誰が来るのか?お楽しみに!


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「第42回人人展」終了しました。

2018年3月25日(木)~31日(水)東京都美術館・1階第4展示室にて行われた「第42回人人展」ならびに特別陳列「顔」、盛況のうちに終了いたしました。
会場まで足を運んで頂いたお客様、ご協力いただいた中村正義の美術館をはじめ、ご出資いただいたギャラリー・画廊の方々、作品をお貸しいただきました羽黒洞、その他関係者の方々にあらためて感謝申し上げます!

目録: 第42回人人目録(pdf)


人人展ダイジェスト

今回の特別陳列は「顔」。人人会の中心的な創設者でもある日本画家・中村正義の著書『創造は醜なり』に収録された「絵はすべて自画像」というエッセイからインスピレーションを受け企画されました。会場となった入り口メインブースには、中村正義と佐熊桂一郎らによる物故作品、出品者有志を合わせた33名による作品42点が展示されました。

 

(「顔」の展示会場の様子)

 

また図録では、パステルなどを使用した中村正義作品をキービジュアルに使用し、スピンオフ企画として出品者の大野、内藤によるエッセーを掲載、初日にはギャラリートークも催されました。

 

(ギャラリートークの様子。顔各出品者の話を聞きながら、お客様と共に「顔」の展示会場を廻りました。左から内藤瑶子、大野俊治、自作を解説する渡辺つぶら)

 

従来、人人展では追悼展や回顧展など、主に個人の業績に焦点をあてた特別陳列が企画されてきました。今回の「顔」は、その流れの中では新しい試みであり、先代の文章を読みながら各作家が考え、呼応していこうという「人人だからこそ」の企画でもありました。

出品作品は具象・抽象問わず、また平面から立体まで、それぞれ独特の技法や素材が用いられており、自画像、お面をモチーフにしたもの、解剖スケッチ、張り子、時間の経過や記録性を取り入れたもの……などなど、作家による多様な解釈が散見され、各作家の独自性が「顔」というモチーフを通して感じられる展示となりました。

🔷

中村正義の文章にある「絵はすべて自画像(のよう)になるのではないか?」という「自画像」は、文字通りの自分を描いた「自画像」 とは意味合いが異なる上、本企画のモチーフ自体は「顔」。さまざまなキーワードが錯綜する挑戦的なテーマだったと思います。

2018年「人人の顔」を感じていただけたなら幸いです。

来てくださったお客様やご協力いただいた皆さまのご意見ご感想を励みに、そして出品者同士の議論も糧にしながら、これからもチャレンジを続けますので、どうぞご期待くださいませ。


 

通常展示は、2人の新しいメンバー(呼びかけ会員)を加えた合計34人の出品者が、各人5m前後の壁面スペースに展示を展開しました。特別陳列、追悼展示の作品を含めると137点(シリーズ作品は1点と数える)の作品が集い、今年も賑やかな展開となりました。

 


小品展「小さな人人展」

今年も湯島の画廊・羽黒洞ご協力の上、小品展「小さな人人展」が開催され、また昨年に引き続き「人人句会」が行われました。

(皆さま楽しむことに夢中で記録写真がなく、掲載できないのが残念!だれかお持ちの方いらっしゃいましたら、是非ご一報くださいませ。)

(文責:人人会WEBサイト担当・内藤瑶子)


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「第42回从展」雑誌掲載、古茂田杏子・宮﨑優・山崎美佐子「从の三人展」のお知らせ

今年の春は随分と気温が高く、もう半袖で出歩く人々がちらほら。もう酷暑が心配になってきます。

さて無事終了いたしました「第42回从展」、今年も『美術の窓 2018年5月号』の「公募展だより」コーナーに掲載していただいております。さらに銀座の画廊るたんにて、从作家3人による「从の三人展」が開催予定とのこと。ご紹介させていただきます。


◉『美術の窓 2018年5月号』p234

「第42回从展」の展評を掲載していただいております!

古茂田杏子、亀井三千代、郡司 宏、丹澤和美それぞれの作品写真、作品評が掲載されています。ぜひチェックしてみてくださいね。

美術の窓 2018年 5月号 [雑誌]
生活の友社 (2018-04-20)

◉古茂田杏子・宮崎優・山崎美佐子「从の三人展」

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会期:2018年5月14日(月)~5月19日(土)
時間:11:00~18:30(最終日17:00まで)
会場:画廊るたん(
104-0061 東京都中央区銀座6-13-7 新保ビル2F TEL/FAX (03)3541-0522 E-mail letemps.ginza@gmail.com )
http://www.gallerys.jp/town/tokyo/rutan/now.html

从会でも大ベテラン作家のお三方。迫力のある展示を期待しております!


(記載のない場合、文責ないとう)

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「第42回人人展」開催のお知らせ

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  • 今年の人人展は、例年と場所・会期が変更となっております。ご注意ください。また、月曜日も開場しております。
  • 会期:2018.325日(日)~31日(土)
  • 時間:9301730入場17:00
  • 会場:東京都美術館・1階 第4展示室(上野公園内)(地図はこちら
    会期中無休最終日は14:30入場、15:00まで
  • 入場料:一般500円・学生300円
  • 主催:人人会
  • 図録:500円にて販売予定

特別陳列「顔」

今回、中村正義の著書『創造は醜なり』P10-P11“絵はすべて自画像”というエッセイから着想を得て、特別陳列「顔」という企画が立てられました。中村正義、佐熊桂一郎の作品と参加メンバーの有志も加わり、入口メインブースに「顔」をテーマに作品を陳列、展開いたします。人人創立者の本を読み考察し、後を継ぐメンバーがそれに呼応する、それは人人展でしか実現できない「場」であり、また初めての試みでもあります。

是非ご来場くださいませ。

また、本陳列にともない、人人展図録では中村によるエッセイ本文を紹介するほか、スピンオフ企画として人人会作家による論考も2本収録予定です。人人会関連書籍やバックナンバーとともに会場受付横で販売いたします。あわせてお楽しみいただけたら幸いです。

図録企画の主な内容

◆大野俊治 “face, visage, aspect”

感覚機能が集中する<顔>…<眼>は視覚を司り、<鼻>は嗅覚を司る。<耳>は聴覚を司り、<口>は呼吸や飲食といった生命維持活動にとって最も重要なパーツであり、会話というコミュニケーションに欠かせない役割も併せ持つ。<顔>の筋肉や動作によってつくりだされる<表情>は、他人から見た印象を決定づける。この<表情>は、意図的につくりだすこともできるが、感情と密接に繋がっていることから、完全にはコントロールできない。言語以外のコミュニケーションの主要手段である<表情>には、人間の人格や思想さえも滲み出ることがある。


◆内藤瑶子「『絵はすべて自画像』なのか :私に溶けゆく誰かの「顔」の新たなる鋳造について」

「絵はすべて自画像」か?ーーあまりにも表現主義的、心のリアリズムともとれる中村の文章をときほぐしながら、その問いに内包される個性表現と芸術との関わり合いを考えます。人人会において大きなテーマとされてきた個々の独立した創作活動と自由。これらの理想を担保する「個性」を漠然と賛美するのではなく、その複雑なありように目を向けたいと思います。


 

  • 関連イベント:ギャラリートーク3月25日 14:00〜 大野・内藤ほか
  • 場所:特別陳列会場・第展示室にて開催予定
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「第42回人人展」図録 (2018)

(なお、関連書籍はサンプルのご紹介のみとなっております。ご了承くださいませ。)

出品作家

綺朔ちいこ、猪瀬辰男、宇里香菜、太田真理子、大野俊治、大野泰雄、
岡田よしたか、奥津幸浩、小野なな、亀井三千代、木村浩之、久保俊寛、
郡司宏、古茂田杏子、高橋美子、竹内幸子、田端麻子、丹澤和美、
冨樫憲太郎、鳥居洋治 、内藤瑶子、成田朱希、西川芳孝、馬籠伸郎、
美濃瓢吾、箕輪千絵子、宮﨑 優、山川真太郎、山﨑克巳、山崎美佐子、
吉田佑子、米田昌功、LUNE、渡辺つぶら

同時開催:「小さな人人展」

毎年恒例の小品展も開催予定です。ぜひ本展とあわせてご覧ください!

  • 会期:2018.3月25日(日)~31日(土)※会期中無休
  • 時間:11001830  最終日は1500まで 
  • 会場:羽黒洞〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウン2F

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渡辺つぶら新刊、木村浩之個展、亀井三千代グループ企画のお知らせ

あけましておめでとうございます。本年も人人会を宜しくお願い申し上げます🎍

人人会より、関連作家による1月の活動のご紹介をさせていただきます!年明けから楽しみな展示がぞくぞくと。


◉一柳ナヲ(著)渡辺つぶら(イラスト)『Marieta

世界各地の神話や伝説をモチーフに制作活動をしている渡辺つぶらさん。今回、絵を担当した絵本「Marieta」が英語版のKindle本として出版されました。プレビューできますので、是非ごらんください。つぶらワールド全開です!

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アマゾンのurlはこちら♬→http://amzn.asia/753vK20


◉木村浩之個展

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201812()2018114()11:0018:00(最終日は16:00まで)上野広小路スペース 36にて
駅前の寄席、お江戸上野広小路亭1階。いつも催事場として使われていたスペースがリニューアルして、とても素敵なスペースになっていました。開廊企画だそう!いつも何かと通りかかる場所に、木村さんの絵が飾ってあって不思議な気分に。


◉亀井三千代ほか「日本画 五人展」201819()120() 11:0018:00

(出品者:手塚恒治、阿部清子、高崎昇平、桑原聖美、亀井三千代)

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あらかわ画廊 にて(〒104-0061東京都中央区銀座1-10-19銀座第一ビル3F03-3566-5213

東京メトロ有楽町線 銀座一丁目駅 出口1011番より徒歩1銀座線 京橋駅 出口2番より徒歩2分〒160-0015東京都新宿区大京町31-10

あらかわ画廊は、7月より上記に移転されたそうです。くれぐれもご注意くださいませ。じっと亀井さんの絵をのぞいて見ると、どんどん新たに展開しています。


(記載のない場合、文責ないとう)

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あるくの从作家見聞記|No.6 グループ展:郡司宏、古茂田杏子、田端麻子

あるくの从作家見聞記<<前回の記事:あるくの从作家見聞記|No.3 小野なな展 、No.4 林晃久展、No.5 古茂田杏子・佐藤草太 二人展あるくの从作家見聞記|No.1 亀井三千代展「絵空言」、No.2 渡辺つぶら展

ライターの山田歩さんによる「あるくの从作家見聞記」も3回目の更新となりました。今回は、7月中旬にギャラリー枝香庵にて開催された「昭和の面影」展のレポートを中心とした「私の中の昭和の記憶」というエッセーを送っていただきました。山下菊二に代表されるように、過去の人人展出品作家にも社会における支配関係や、権力の権威化、保守化を鋭く切り取ろうとする表現活動がみられました。それがあってこその今日の表現であることは、もちろん言うまでもありません。しかし、頭の中だけの理想や理念とはまたちがう、体感や手触りとしての「昭和」という表現もあるのでしょう。72回目の終戦記念日に感じ入る投稿となりました。(文責 ないとう)

あるくの从作家見聞記6

◉郡司宏、古茂田杏子、田端麻子
第8回「うちわと風鈴展」(ギャラリーアビアント)・7月5日~14日、第20回銅版画の会「四角い空」展(青木画廊3Fルフト)・7月7日~13日、「昭和の面影」展(ギャラリー枝香庵)・7月11日~18日 (2017年)

ーー

私の中の昭和の記憶

昭和64年(1989)1月7日、昭和天皇が亡くなった。昭和終焉の日である。その当時、私は長崎県諫早市に住んでいてローカル紙の新聞記者だった。長崎新聞の政治部キャップのF氏が3年前、諫早市に特化した新聞を創刊することになり、私は誘われて記者となった。タブロイド判16ページに二人で記事を書き、手作業でレイアウト、編集して制作していた。F氏が政治、社会面を私が文化、生活、スポーツ面などを担当した。諫早タイムズという新聞の名前から私は、小さな町を歩いていると、”タイムズさん“と親しみを籠められて町の人々から呼ばれていた。そんな折、昭和天皇が亡くなり、紙面の扱い方で私はF氏と口論になり、退社した。F氏は全ページ天皇特集でいくと言ったが、私は反対であった。そういう特集は大新聞や雑誌で行えばよいと思ったし、そもそも天皇制に疑問を持っていたからである。天皇制というものは神輿のようなものであると思っていた。その時代の人たちが担ぐままに担がれるものだったのではないか。「政治的作品」としか私は思っていなかった。

昭和20年(1945)8月15日に太平洋戦争は終わった。写真家の濱谷浩は天皇の肉声によるラジオから流れた玉音放送を聴くなり、部屋から外に出て、真天上の太陽に向かってシャッターを切った。新潟県高田市で暮らしていた時に撮影した名作(終戦の日の太陽)。日章旗が反転したような印象深い写真だ。「風がなく、草も木も動かずぐったり生気を失い、空には雲ひとつなく、ただ宙天に昭和20年8月15日の太陽がギラギラと輝いていた。」と回想記『潜像残像』に書いている。もうそれから72年が経つ。

私は昭和26年に生まれた。まだ日本がアメリカの占領下にあった時である。郡司宏さんはその翌年、昭和27年に東大病院で生まれている(東大卒より凄い!)。日本がアメリカから独立した年。しかし沖縄は占領下のままであった。古茂田杏子さんは、戦後に生まれただろうが、いつも若くて魅力的(サービスかな?)。田端麻子さんは、1996年(平成7年)に多摩美術大学を卒業しているから昭和の後半に生まれているのだろう。若い画家さんだ。この3人が「うちわと風鈴」展と「昭和の面影」展に出品していた。銅版画の会「四角い空」展は古茂田さんが主宰する銅版画教室の画家さんたちとの展覧会。この3つの展覧会に共通するのは“昭和の風情”である。いずれも郷愁や過去の記憶の懐かしさと痛みがある。「昭和の面影」展を企画した御子柴大三氏は「昭和の古き良き時代をそれぞれの画家さんたちに記憶を辿ってもらい自由に描いて欲しかった。私の昭和の面影は哀切と悼みかも知れない」と語る。若くして亡くなった画家、長谷川利行や松本竣介のことが眼に浮ぶのだろう。展覧会場となったギャラリー枝香庵は銀座3丁目、銀座ビルディング8Fにある。7Fまでエレベーターで上がり、8Fまで階段を上がる、途中に小部屋があり、作品が展示され、また階段を上がると小部屋の展示室がある。まるでエッシャーの絵にように水が上からも下からも流れている光景を思い出す。

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「昭和の面影」展(ギャラリー枝香庵)展示風景・7月11日~18日 (2017年)

ちなみに「昭和の面影」展では古茂田さんの作品は「Give me chocolate」と「星の流れに」。郡司宏さんは東京大空襲を描いた「1945年3月10日」と「鉄(クロガネ)」。田端麻子さんは「がまんをします」と「畳のある家」。それらには天皇とは関係のない庶民の哀感が漂っている。古茂田さんの「こんな女に誰がしたぁ~」の唄声が聞こえ、田端さんが「がまんしなさい」と堪えているような気がする(苦笑)。昭和21年1月1日に昭和天皇は「人間宣言」と呼ばれる詔勅を発した。それまで「御真影」だった天皇が国民の前に姿を現したのである。いまでも行われる天皇主宰の園遊会が戦後最初にあったのは昭和28年(1953)、その頃はまだテレビが国民に普及していなかったが、昭和34年(1959)に皇太子明仁(今上天皇)と美智子妃(現皇后)の結婚パレードが行われ、一気にテレビが普及した。テレビで放映される園遊会で昭和天皇はよく出席者たちに話しかけ、相手の答えを聞くと「あっ、そう」と答えていた。いつしか昭和天皇の代名詞は「あっ、そう」になっていた。評論家の松本健一は『昭和天皇伝説』の中で、アメリカのラスベガスでのディナーショーで日本人歌手・朱里エイコが「Ah,So!」という曲を歌っているのをラジオで聴いたと書いている。朱里エイコが英語で何かセリフを言うたびに聴衆が一緒に「Ah,So!」と合唱していたとのこと。私もどんな歌なのか聴いてみたくなった。皇室の大衆化はいまも続いている。

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田端麻子作品「昭和の面影」展(ギャラリー枝香庵)・7月11日~18日 (2017年)

今回、「昭和の面影」の出品作家たちのほとんどの画家は、戦後に生まれ、民主主義の時代の中で画家の道を歩んできた人たちばかりだろう。戦争の記憶は持っていないはずである。しかし、今の時代を生きながらも何かしらの戦争の記憶がそれぞれの人たちに受け継がれているに違いない。私はDNAの遺伝子により性格や体格など遺伝しているだけでなく記憶も遺伝していると考えている。私たちの父母や祖父祖母、さらには遠い祖先たちが見聞し、体験したものが、いまも連綿と遺伝子として私たちに記憶されていると思う。デジャヴィ(既視感)と呼ばれる現象はその事で説明できるのではないだろうか。今は平成の時代だが、多くの人たちの心の中に昭和の面影が記憶としてゆらゆらと蠢いている。いつの時代も遠くにはない、いつも私たちに寄り添い近くにあるのだ。

過去も現在も未来もぐるぐると渦を巻きながら記憶の輪をつくっている。(山田歩)

次回もお楽しみに!

あるくの从作家見聞記|No.6 グループ展:郡司宏、古茂田杏子、田端麻子 はコメントを受け付けていません。

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