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「第43回人人展」開催のお知らせ

人人図録表紙

「第43回人人展」図録 (2019)
表紙作品「櫻下傘踊り図」(部分)
206.0×218.1cm 1980年 撮影:白石ちえこ

  • 人人展は、一昨年から場所・会期が変更となっております。ご注意ください。また、月曜日も開場しております。
  • 会期:2019.325日(月)~31日(日)
  • 時間:9301730入場17:00
  • 会場:東京都美術館・1階 第4展示室(上野公園内)(地図はこちら
    会期中無休|最終日は14:30入場、15:00まで
  • 入場料:一般500円・学生300円
  • 主催:人人会
  • 図録:500円にて販売予定

特別陳列「井上洋介」

漫画、イラスト、絵本、そして絵画と、様々なメディアを駆使し、活躍した井上洋介(1931- 2016)。人人展の図録では「ひたすら人間を描くこと未来永劫なにも変わらぬ、人間を見据え描 くこと只それだけ」※と、自身の画道を表明されていました。今回は、1976年~1999年にわたっ て人人展に出品された作品を中心に陳列予定です。

是非ご来場くださいませ。

※『第21回人人展図録』出品作 「室内図」についてより(1995年)

170m町残影73.0×90.0

井上洋介「M町残影」油彩、73.0×90.0cm、1988年

336 [行進] 1991.91.0×182.5_図録用

井上洋介「行進」油彩
91.0×182.5cm、1991年
(第18回人人展出品作)
  • 関連イベント:ギャラリートーク3月25日 14:00~ 井上真樹・美濃瓢吾・山﨑克己
  • 場所:特別陳列会場・第展示室にて開催予定

■井上洋介と人人会とのなれそめ

井上洋介は武蔵野美術学校(現 武蔵野美術大学)卒業後、漫画家となり、その後絵本作家とし て活躍しました。同じく絵本作家で、人人会創立メンバーでもあった田島征三氏より電話があり、 「壁面を 6 メートルあげるから人人展に出品しないか」と誘われ 「久しぶりに油絵描くの も悪くないな」と思い、第2回人人展(1976年)に招待作家として出品。第19回(1993年)から 会員となり、第22回(1996年)に特別陳列、第25回(1999年)まで18 回出品しました。

(参考文献:井上洋介・松本育子編『井上洋介図鑑』河出書房新社、2013年)

今回の出品作家

綺朔ちいこ、猪瀬辰男 、宇里香菜 、太田真理子、大野俊治
大野泰雄、岡田慶隆、奥津幸浩、小野なな、亀井三千代
軽部武宏、木村浩之、久保俊寛、郡司宏、古茂田杏子
佐藤仁、高橋美子、竹内幸子、田端麻子、丹澤和美
冨樫憲太郎、鳥居洋治、内藤瑶子、成田朱希、西川芳孝
林 晃久、馬籠伸郎、美濃瓢吾、箕輪千絵子、宮﨑 優
山川真太郎、山﨑克己、山崎美佐子 吉田佑子、米田昌功
LUNE、渡辺 つぶら

同時開催:「小さな人人展」

毎年恒例の小品展も開催予定です。ぜひ本展とあわせてご覧ください!

小さな人人

  • 会期:2019.325日(月)~31日(日)
  • 会期中無休
  • 時間:11001830  最終日は1500まで 
  • 会場:羽黒洞〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウン2F

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久保俊寛による個展・古茂田杏子「新収蔵作品展」町田市立国際版画美術館のお知らせ

謹 賀 新 年

だいぶゆったりとしたタイミングのご挨拶になりました。本年も人人会をよろしくお願いいたします。

平成31年度「第43回人人展」は、3月25日(月)~31日(日)の会期を予定。今年も各出品者につき6mという個展のような大きなスペースで作品が展示されるほか、毎年恒例の特別陳列も企画しています。会場は東京都美術館1階第4展示室、会期中無休!鋭意準備中です。

今回は、人人会作家の久保俊寛さんと、古茂田杏子さんのお知らせをご紹介します。


◉ 久保俊寛巡回展 色エンピツで…「名作を旅する」

久保俊寛さんは個展を開催中!また、去年の11月に中国新聞の文化欄にてエッセイを連載されたとのこと、原稿が届きましたのであわせてご紹介します。

千葉:2018年12月24日(月)~2月2日(土) 10:30~18:00  日曜定休・最終日15時まで

  • 会場:ギャラリーオアシスにて( 264-0025 千葉県千葉市若葉区都賀3丁目248都賀プラザ2F
  • 電話: 043-309-8353

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  • 広島:2019年4月1日(月)~4月7日(土) 9:30~17:30  無休
  • 会場:ギャラリー並木にて( 730-0036 広島市中区袋町9-3 並木ヒルズ7F
  • 電話: 090-4140-5754

「新収蔵作品展 Present for you」町田市立国際版画美術館

古茂田杏子さんの作品が町田市立国際版画美術館に収蔵され、現在「新収蔵作品展」のコーナーに展示されています。古茂田さんのご両親(古茂田守介・美津子夫妻)の作品も同時に展示されているとのこと。

追記:古茂田さんの版画は、愛媛県美術館にも寄託されたそうです!詳細がわかり次第、またご紹介しようと思います。

上に掲載した画像は配布されたリーフレットから抜粋しています。古茂田杏子ツイッター @komoda_kyoko よりお借りしました。

2016年にアートギャラリー環で開催された「古茂田杏子展」、2018年の不忍画廊「描かれた少女は・・・誰? 古茂田守介生誕100年記念 守介|美津子|杏子 3人展」など、近年は杏子さんの歴代の画業を拝見する機会がありました。美術館の会場も、素敵な展示となっていることでしょう。


(記載のない場合、文責ないとう)

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「第42回人人展」終了しました。

2018年3月25日(木)~31日(水)東京都美術館・1階第4展示室にて行われた「第42回人人展」ならびに特別陳列「顔」、盛況のうちに終了いたしました。
会場まで足を運んで頂いたお客様、ご協力いただいた中村正義の美術館をはじめ、ご出資いただいたギャラリー・画廊の方々、作品をお貸しいただきました羽黒洞、その他関係者の方々にあらためて感謝申し上げます!

目録: 第42回人人目録(pdf)


人人展ダイジェスト

今回の特別陳列は「顔」。人人会の中心的な創設者でもある日本画家・中村正義の著書『創造は醜なり』に収録された「絵はすべて自画像」というエッセイからインスピレーションを受け企画されました。会場となった入り口メインブースには、中村正義と佐熊桂一郎らによる物故作品、出品者有志を合わせた33名による作品42点が展示されました。

 

(「顔」の展示会場の様子)

 

また図録では、パステルなどを使用した中村正義作品をキービジュアルに使用し、スピンオフ企画として出品者の大野、内藤によるエッセーを掲載、初日にはギャラリートークも催されました。

 

(ギャラリートークの様子。顔各出品者の話を聞きながら、お客様と共に「顔」の展示会場を廻りました。左から内藤瑶子、大野俊治、自作を解説する渡辺つぶら)

 

従来、人人展では追悼展や回顧展など、主に個人の業績に焦点をあてた特別陳列が企画されてきました。今回の「顔」は、その流れの中では新しい試みであり、先代の文章を読みながら各作家が考え、呼応していこうという「人人だからこそ」の企画でもありました。

出品作品は具象・抽象問わず、また平面から立体まで、それぞれ独特の技法や素材が用いられており、自画像、お面をモチーフにしたもの、解剖スケッチ、張り子、時間の経過や記録性を取り入れたもの……などなど、作家による多様な解釈が散見され、各作家の独自性が「顔」というモチーフを通して感じられる展示となりました。

🔷

中村正義の文章にある「絵はすべて自画像(のよう)になるのではないか?」という「自画像」は、文字通りの自分を描いた「自画像」 とは意味合いが異なる上、本企画のモチーフ自体は「顔」。さまざまなキーワードが錯綜する挑戦的なテーマだったと思います。

2018年「人人の顔」を感じていただけたなら幸いです。

来てくださったお客様やご協力いただいた皆さまのご意見ご感想を励みに、そして出品者同士の議論も糧にしながら、これからもチャレンジを続けますので、どうぞご期待くださいませ。


 

通常展示は、2人の新しいメンバー(呼びかけ会員)を加えた合計34人の出品者が、各人5m前後の壁面スペースに展示を展開しました。特別陳列、追悼展示の作品を含めると137点(シリーズ作品は1点と数える)の作品が集い、今年も賑やかな展開となりました。

 


小品展「小さな人人展」

今年も湯島の画廊・羽黒洞ご協力の上、小品展「小さな人人展」が開催され、また昨年に引き続き「人人句会」が行われました。

(皆さま楽しむことに夢中で記録写真がなく、掲載できないのが残念!だれかお持ちの方いらっしゃいましたら、是非ご一報くださいませ。)

(文責:人人会WEBサイト担当・内藤瑶子)


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久保俊寛個展開催のお知らせ、あるくの从作家見聞記|No.10 久保俊寛「虫むし」展

あるくの从作家見聞記<<前回の記事:田端麻子個展開催のお知らせ、あるくの从作家見聞記|No.9 田端麻子展「シーソー」

ライターの山田歩さんによる「あるくの从作家見聞記」No.10、年末年始に行われた久保俊寛「虫むし」展の記事です。現在、〜27日(金)まで広島のギャラリー並木にて個展を開催中。お近くの方は是非お出かけください。

久保俊寛「自画像と書」展 2018年4月23日(月)-4月27日(金) 

9:30~17:30(日曜日、最終日は17:00まで)

会場:ギャラリー並木にて( 電話: 090-4140-5754
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DM画像。地図が手書きでかわいいです。

(文責 ないとう)

あるくの从作家見聞記10

◉久保俊寛「虫むし」展
2017年12月19日~2018年1月20日 ギャラリーオアシス(千葉市都賀)

ーー

「虫」という天体

私たちは、日常生活の中で自分の行動を振り返って、「あの時、ああしていたら、どうなっていただろうか」と想像したりすることがある。大抵の人たちがそう思い、ああしたり、こうしたりと糸が絡まるようにもがき苦しんで自分自身を見失っていく。ところが久保俊寛の作品を見ていると、それらは嘘のように消え、日常の意識や想像を一つの世界に結晶させる力がある。人間には古くから心の中に考えや感情を引き起こす「虫」がいると言われている。「虫が知らせる」「虫が好かない」「虫の居所が悪い」「腹の虫が納まらない」などの言葉を思い浮かべるだけでそのことが分る。「虫も殺さぬ顔」という言葉もあるように「虫」にはあまり良いイメージはない。だが久保俊寛は、その「虫」を自家薬籠中の物にしている。今回、千葉市で「久保俊寛『虫むし』」展を観た。約200体の「虫」をマッチ棒とゴミとして捨てられる筈であった煙草の空箱、使い捨てのライター、紙屑や魚の骨などを組み合わせて作品を生み出している。それらのオブジェ作品は物質化されたガラクタのオモチャ箱のような空想の質感があり、まるで一つの「天体」であると言える。人間が日常失いがちな生活や人生のひとかけらが「星」や「月」の煌めきのように輝いているのだ。これは久保俊寛の強い意志と持続力があって「意味を持つ作品」になっている。

久保俊寛は、ユニークな宇宙観と異端的なエロティシズム哲学を持った作家・稲垣足穂と同質なものを持っていると私は感じている。「夜空で光る星や月が、ぴかぴかの紙やブリキでできているんだとしたらこの世はにぎやかで面白いだろう」。その星や月を「虫」に、ブリキをマッチ棒に置き換えると久保さんのオブジェが夜空でキラキラと輝いている。

稲垣足穂の『一千一秒物語』という作品の中に「見てきたようなことを云う人」がある。

「きみはあの月も 星も あんなものが本当にあると思っているのかい」
とある夜ある人が云った。
「うん そうだよ」
自分がうなずくと
「ところがだまされているんだ あの天は実は黒いボール紙で そこに月や星型のブリキが貼りつけてあるだけさ」
「じゃ月や星はどういうわけで動くかい」
自分が問いかえすと
「そこがきみ からくりさ」

その人はこう云ってカラカラと笑った 気がつくとたれもいなかったので オヤと思って上を仰ぐと 縄梯子の端がスルスルと星空へ消えて行った。

久保俊寛の「虫むし」の世界に通じている。久保さんは、いつか「夢死」という夢のように一生を送り、マッチ棒が燃え尽きると何もない世界へ帰っていくのだろうか。

(山田歩)

次回もお楽しみに!

久保俊寛個展開催のお知らせ、あるくの从作家見聞記|No.10 久保俊寛「虫むし」展 はコメントを受け付けていません。

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「第42回人人展」開催のお知らせ

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  • 今年の人人展は、例年と場所・会期が変更となっております。ご注意ください。また、月曜日も開場しております。
  • 会期:2018.325日(日)~31日(土)
  • 時間:9301730入場17:00
  • 会場:東京都美術館・1階 第4展示室(上野公園内)(地図はこちら
    会期中無休最終日は14:30入場、15:00まで
  • 入場料:一般500円・学生300円
  • 主催:人人会
  • 図録:500円にて販売予定

特別陳列「顔」

今回、中村正義の著書『創造は醜なり』P10-P11“絵はすべて自画像”というエッセイから着想を得て、特別陳列「顔」という企画が立てられました。中村正義、佐熊桂一郎の作品と参加メンバーの有志も加わり、入口メインブースに「顔」をテーマに作品を陳列、展開いたします。人人創立者の本を読み考察し、後を継ぐメンバーがそれに呼応する、それは人人展でしか実現できない「場」であり、また初めての試みでもあります。

是非ご来場くださいませ。

また、本陳列にともない、人人展図録では中村によるエッセイ本文を紹介するほか、スピンオフ企画として人人会作家による論考も2本収録予定です。人人会関連書籍やバックナンバーとともに会場受付横で販売いたします。あわせてお楽しみいただけたら幸いです。

図録企画の主な内容

◆大野俊治 “face, visage, aspect”

感覚機能が集中する<顔>…<眼>は視覚を司り、<鼻>は嗅覚を司る。<耳>は聴覚を司り、<口>は呼吸や飲食といった生命維持活動にとって最も重要なパーツであり、会話というコミュニケーションに欠かせない役割も併せ持つ。<顔>の筋肉や動作によってつくりだされる<表情>は、他人から見た印象を決定づける。この<表情>は、意図的につくりだすこともできるが、感情と密接に繋がっていることから、完全にはコントロールできない。言語以外のコミュニケーションの主要手段である<表情>には、人間の人格や思想さえも滲み出ることがある。


◆内藤瑶子「『絵はすべて自画像』なのか :私に溶けゆく誰かの「顔」の新たなる鋳造について」

「絵はすべて自画像」か?ーーあまりにも表現主義的、心のリアリズムともとれる中村の文章をときほぐしながら、その問いに内包される個性表現と芸術との関わり合いを考えます。人人会において大きなテーマとされてきた個々の独立した創作活動と自由。これらの理想を担保する「個性」を漠然と賛美するのではなく、その複雑なありように目を向けたいと思います。


 

  • 関連イベント:ギャラリートーク3月25日 14:00〜 大野・内藤ほか
  • 場所:特別陳列会場・第展示室にて開催予定
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「第42回人人展」図録 (2018)

(なお、関連書籍はサンプルのご紹介のみとなっております。ご了承くださいませ。)

出品作家

綺朔ちいこ、猪瀬辰男、宇里香菜、太田真理子、大野俊治、大野泰雄、
岡田よしたか、奥津幸浩、小野なな、亀井三千代、木村浩之、久保俊寛、
郡司宏、古茂田杏子、高橋美子、竹内幸子、田端麻子、丹澤和美、
冨樫憲太郎、鳥居洋治 、内藤瑶子、成田朱希、西川芳孝、馬籠伸郎、
美濃瓢吾、箕輪千絵子、宮﨑 優、山川真太郎、山﨑克巳、山崎美佐子、
吉田佑子、米田昌功、LUNE、渡辺つぶら

同時開催:「小さな人人展」

毎年恒例の小品展も開催予定です。ぜひ本展とあわせてご覧ください!

  • 会期:2018.3月25日(日)~31日(土)※会期中無休
  • 時間:11001830  最終日は1500まで 
  • 会場:羽黒洞〒113-0034 東京都文京区湯島4-6-11 湯島ハイタウン2F

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山﨑克己個展、久保俊寛個展のお知らせ

人人会より、関連作家による12月の展示のご紹介をさせていただきます。

山﨑克己さんは第23回(1997年)人人展に出品してくださっていて、来年度(第43回)の人人展に久しぶりに出品してくださるとのこと。先駆けて個展のお知らせです。久保俊寛は、最近の肖像シリーズではなく、マッチ棒を使用したコラージュ、半立体作品の個展「虫むし展」を開催予定。このシリーズも人人にとっては馴染み深いもの。どのような空間になるのでしょうか。年末年始またいだ展示です。

前回ご紹介した佐藤美術館にて開催の亀井三千代、成田朱希、西川芳孝ほか「~現代作家70名が描く、つくる~吾輩の猫展」は、12月24日まで開催。引き続きご紹介です。


◉山﨑克己個展「紙刻繪展」

img_5395-1

2017121()125()会期中無休、入場無料
初日 15:0020:00 土日 13:0019:00 13:0020:00 13:0020:00
ブックギャラリーポポタムにて(〒171-0021 東京都豊島区西池袋2-15-17 電話:03-5952-0114

 ギャラリーのブログによれば、「山﨑克己さんの独自技法で描かれた「紙刻繪」と絵本の原画を展示」とのこと。


◉久保俊寛個展「虫むし展」

img_5395

20171219()2018120()年末年始は1229日〜15日まで休廊とのこと。
9:3018:00(最終日は17:00まで)
ギャラリーオアシスにて(264-0025 千葉県千葉市若葉区都賀3丁目248電話:043-309-8353ギャラリーフェイスブックタウンページなどをご参考になさってください)

しかし、けっこうなハイペースで作家活動を行っている久保さん。最近山田歩さんに記事にしていただいた、あるくの从作家見聞記|No.7 久保俊寛「私の中の面々」(呉・広島・交遊録・第3章)も楽しい記事となっておりますので、ぜひご覧になってみてください。


◉亀井三千代、成田朱希、西川芳孝ほか「~現代作家70名が描く、つくる~吾輩の猫展」

まだ会期がありますので、前回に引き続きのお知らせです。

2017117()1224() 
10:0017:00
佐藤美術館にて(〒160-0015東京都新宿区大京町31-10

  • 入場料:一般:600学生:400*中学生以下無料
  • 協賛 三菱ケミカル株式会社
  • 協力 パトロンプロジェクト、オフィスif、日経プラザ&サービス

パトロンプロジェクトプレスリリースより)猫ブームの話題が絶えない昨今、実は猫好きのアーティストも少なくない。活躍中のアーティスト70名による猫の傑作に囲まれて、猫好きからアート好きになる人々も増えそうな内容。11月18日には、若手アーティストを応援するパトロンプロジェクトイベントにて、出展作家を講師に迎えての猫を描くワークショップなど一般の方々がアーティストやアートに親しむ会も実施する。


(記載のない場合、文責ないとう)

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あるくの从作家見聞記|No.7 久保俊寛「私の中の面々」(呉・広島・交遊録・第3章)

あるくの从作家見聞記<<前回の記事:あるくの从作家見聞記|No.6 グループ展:郡司宏、古茂田杏子、田端麻子

ライターの山田歩さんによる「あるくの从作家見聞記」4回目の更新です。今回は、7月中旬に広島市のギャラリー並木にて開催された久保俊寛さんの個展開催にあわせ「愚亀こと久保俊寛」を送っていただきました。人人展でも10年以上前から、久保さんの過剰な世界(もちろん良い意味で)を見せていただいていますが、74歳になられても制作意欲・スピード感が衰えているようには感じません。このエッセーでは神仙思想、それと深い関係にあるとされる浦島伝説をからめつつ、一人の画家の老いと鍛錬における境地が軽妙に、また独特の深みをもって描かれています。誰にでも訪れるゆえに気になる老後。ちょっぴり憧れるぞ久保さん。(文責 ないとう)

あるくの从作家見聞記7

◉久保俊寛「私の中の面々」(呉・広島・交遊録・第3章)
7月26日~8月1日(2017年) ギャラリー並木(広島市)

ーー

愚亀こと久保俊寛

「昔々、ある処に愚亀と称する愚かな亀が棲んでいました。自らを愚かで、ノロマだと言触らしていましたが、本当はとても頭が良くて、何事も俊敏な賢い亀でした。周囲のものは仙人の生まれ変わりだろう」という昔話は残念ながらない。だけど浦島太郎が助けた亀に連れられ龍宮城へ行き、鯛やヒラメの舞い踊りの歓待を受け、玉手箱をお土産に貰い、砂浜で開けたら煙が出て浦島太郎は白髪のお爺さんになったという伝説はある。私は、煙が出た瞬間に久保俊寛に化身したと疑いもなく思っている。

久保俊寛と出会って、もう2年余りが経つ。いつ会っても同じ服装で仙人みたいに見える。渓流釣り師がよく着ているポケットがいっぱいあるジャケットから次々といろんなものを出してくる。御自慢はプロ野球広島カープの丸選手から頂いたカープのユニホーム姿と丸選手とのツーショット写真だ。白髪混じりの爺さんだと思うけど、気が若いし、見かけも若い。世の中に「器用貧乏」とか「贅沢貧乏」という言葉があるが、「贅沢貧乏」は森鷗外の娘、森茉莉さんとして、一方「器用貧乏」は世間中にいる。久保さんの場合は「達人貧乏」と言って良いのではないかと思っている。器用さを通り越して達人の域にいる。オブジェ、コラージュ、絵、書など何をやらせても上手い。時に上手さは嫌味になるが、久保さんの場合はちょっと違う。本人は、一心不乱なのである。無欲だと思う。

ある日、郵便受けに久保さんからの便りが届いていた。そこに「SG(生涯)60の会」の書状があった。「60歳以上の人、腹七分の食事、今を生きる人、老人意識を持たない人、常識を否定できる人、死を恐れない人」と書き記されていた。何なのだ、この人はと思った。実際には私より10歳ほど年上である。「山ちゃん(私のことをそう呼ぶ)、俺は60歳で歳を超えないことにした」、とのたまう。地区民生員もその対応に困惑したらしい。

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久保俊寛のアトリエ風景

千葉市で暮らしている彼の生活は規則正しい。夕方からの生活を紹介すると5時ぐらいに昼の絵描きの仕事が終わると、近所の馴染みの店に夕食を兼ねて飲みに行く。ポケットには秋葉原で購入したラジオを携帯して野球中継を聴く。居酒屋でテレビも見る。時々、広島カープの丸選手の千葉経大付属高校時代の松本監督と一緒に飲む。丸選手は千葉出身なのである。余談だが、私も大の広島カープファンで広島が勝つと電話する。但し、久保さんの場合は丸選手が活躍したかどうかだけである。この人は自分が熱中していることにしか興味がない。夜、部屋に戻ると午後9時頃に眠り、午前3時に起きて、画業に取りかかる。朝、9時頃まで仕事して朝食。その後、ぼんやりとして昼食。そして、また画業に取り組む。まあ昼間は人と会ったり、東京に出かけたりもする。他人と会うのが嫌な人ではない。会えばよく話す。今は、肖像画に集中していて、春先には500人の肖像画を描いたと言っていたが、最近の電話では900人描いたと得意げだった。アトリエには宮沢賢治や南方熊楠や藤田嗣治などの著名人や久保さんの友人の肖像画が飾られている。「山ちゃん、千人斬りだよ」と豪語する。私は、500人を超えた頃にもういい加減止めたらと忠言したが、聞き入ってくれなかった。それ以上に久保さんは加速し、またカオピーとかヒロピーとか訳のわからないことをやり出した。自分が描いた肖像画を紙袋にして着飾り 展覧会場を歩き回ったのだ。今年の8月の広島での個展の時に開催されていた広島平和記念デーでは広島市長にヒロピーの姿で会い、「広島平和特別大使」に任命してくれと嘆願した。弟子にはオブジェ「反核の玉」をプリントした紙袋を被せていた。しかし、丁重に断られたそうだが、私は、ここに久保さんを「広島特別平和天使」と任命したい。彼の平和に対する熱情は凄い。ちなみにピーとはピース(平和)のピーのことだそうだ。

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2017年久保俊寛の暑中見舞いより

久保さんは広島県呉市出身である。呉市は軍港だったところである。彼は戦中に生まれているので、戦後の日本の光景も眼にしている。4歳の時に広島の原爆と終戦を体験。人間の愚かさを身に沁みて理解していたことだろう。絵を志してから彼に根付いたものは他人が推し量れるものではない。彼の作品は広範囲に亘っている。ジーンズの糸くずで表現した作品「デニム両界曼荼羅」、マッチ棒で球体の「反核の玉」をオブジェ化した作品。コラージュ作品の「ヒロシマ残された二重像」は広島出身の画家・靉光(19071946)の「二重像」にオマージュを捧げて制作している。また山形県朝日村の湯殿山注連寺の天井画など一貫した彼の社会に対する心骨を注げる姿勢は変わらない。故郷、広島国泰寺高校の定時制に通っているときに出会った柿手春三(核シェルターの中のバンザイの作者)や、被爆画家の増田勉との出会いは、今日に至るまで彼の心の支えになり平和への思いは強い。久保俊寛は根無し草な生き方はしていない、ずっと根があり続けている。過去には「道化シリーズ」なる作品を発表しているが、道化であることは、己を客体化して観ることができないと貫かれない。久保俊寛は内観ができる画家である。

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久保俊寛による書

最近、電話で話をすると、「もう画家は止める、俺は書家になる」という。以前、私に一枚の書を送ってくれた。そこには「自分にとって人の顔を写すことは、死者と生者の谷間(はざま)を生きる無の行為そのものである。愚亀俊寛」とあった。私は久保さんに中国の詩人で書家の黄庭堅(10451105)の話をした。黄は江西省文寧の生まれで詩において江西派の祖と仰がれた人物。蘇軾の弟子である。黄庭堅の詩に対する真情は「点鉄成金」と「換骨奪胎」であった。「点鉄成金」は古人のありふれた言葉をとりあげて、そこに価値を見出すこと。「換骨奪胎」とは平凡な才、凡骨を脱して神仙にいたること。すなわち古人の詩文を基に創意工夫をして新しい作品を作ること。自然を直視することを説いていることを伝えた。そうすると「山ちゃん、それは俺のことだよと」と平然と言う。黄庭堅の書はゆるやかでのびのびとした余韻のあるものであり、舟の櫓を漕ぐようなものであったという。久保さんの書もゆらゆらと動いているような感じを受ける。

カオピーとかヒロピーとか言っている場合ではない。クボピーは今こそ、舟の櫓を漕ぎ荒れ狂う大海原に出て筆先で世の中を洗うべきではないかと思っている。

(山田歩)

 

次回もお楽しみに!

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