『第41回人人展』終了いたしました。

2017年3月2日(木)~8日(水)東京都美術館2階第4展示室にて行われた「第41回人人展」。今年も特別陳列、追悼展示を含めた会場にて、盛況のうちに終了いたしました。
ご来場いただきましたお客様方、ご出資いただいたギャラリーの方々、作品をお貸しいただきました諸機関・関係者の方々にあらためて感謝申し上げます!

目録:メモ帳、書類の無料アイコン素材 第41回人人目録(pdf)


人人展ダイジェスト

「第41回人人展」は、特別陳列、追悼展示、通常展示の三部構成となりました。

特別陳列は「尾藤敏彦 藤林叡三氏、ヨシダヨシエ氏へのオマージュ」と題され、現人人会会員の尾藤による作品に加え、藤林叡三作品は70年代から最晩年の96年までを網羅した7点の大型作品群さらに尾藤芳尚によるヨシダヨシエ氏へのオマージュ作品1点が陳列されました。

尾藤敏彦による24点もの作品陳列は、尾藤が本格的油彩を始めてから、テンペラ・油彩併用技法(80年代半ば〜)や蠟型鋳造技法(90年代〜)で表現してきた造形作品世界を展開。さらに建築家のル・コルビュジェにヒントを得た立方体を中心にした平面、立体世界を構成した空間が構築され、尾藤の造形活動全体への理解を促がす展示となりました。

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尾藤敏彦作品陳列の全景


追悼展示は2016年2月に84歳で亡くなった井上洋介の追悼展示は2点の作品。『立てるM氏』(1991年)『M町残影(右左)』(1989年)が展示され、同時開催の小品展にも4点の作品が展示されました。人人展における井上洋介の活動は、第2回~第25回(1976年~1999年)の出品、また第22回(1996年)には特別陳列「井上洋介」を行なっています。(1)

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井上洋介作品、左『立てるM氏』72.7×50cm (M20)油彩 1991、右『M町残影(右左)』90×140cm油彩 1989


通常展示は、3人の新しいメンバー(呼びかけ会員)を迎え、合計36人の出品者。例年どおり各人5m前後の大きなスペースにて展示を行いました。特別陳列、追悼展示の作品を含めると172点(シリーズ作品は1点と数える)の作品が集うダイナミックな会場となりました。


ドキュメンタリー映画上映会

初日の3月2日には、1974年人人会創立において中心的人物であった中村正義のドキュメンタリー映画『父をめぐる旅 異才の日本画家・中村正義の生涯』の上映会を行いました。

上映前に本作監督の近藤正典、人人会会員で中村正義の研究者でもある大野俊治を交えて挨拶をさせていただきました。

人人展、また上映会の会場ともなっている東京都美術館(以下都美術館)は、中村正義の活動を考える上で特別な意味がある場所でもあります。
60年代末から、都美術館は経年劣化や耐震上の問題があり、本格的な建て替えが検討されていました。その際に、大型の美術団体の既得権益や、画壇ヒエラルキーを前提にした行政機関の計画に反対する潮流の一つとして、中村正義による都美術館の解放運動があります。(2)新しい都美術館が開館直前となった1974年に、中村正義は都美術館での「第2回人人展」会場取得が問題となったことから、美術館の解放運動を組織しました。その後運動は都民レベルに拡大し、「東京展」実現のための市民会議へと発展しました。(3)

美術館の解放運動から約40年の時を経て、「人間・中村正義」に迫ったドキュメント作品を都美術館講堂で上映できたことは、感慨深い試みになったと思います。


小品展「小さな人人展」・レポート番外編

湯島の画廊・羽黒洞にて開催された「小さな人人展」の会場で行われた打ち上げの中で、初の試みとなる「人人句会」が行われました。搬入直後で緊張と疲れが交差した最中ではありましたが、ささやかな楽しい交流会となりました。(そのほかに「懇親会」や個別な飲み会も開催され、楽しいお酒の日々が続いたメンバーも多々。)


日本酒を差し入れてくださったMさんにこの場を借りて感謝申し上げます!

(文責 人人会内藤瑶子)


歴史的な事実や見解は、以下の文献を参考にさせていただいています。

(1)ただし「第25回人人展・四半世紀をふりかえる創立メンバー特別展」パンフレットによれば、第3回、第8回、第9回、第13回、第14回、第17回には不参加。

(2)(2016) 山村仁志「東京都美術館の特質と課題―様々な個人を生かすしなやかな容器(うつわ)」『東京都美術館紀要』 No.22 東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)p11

(3)(2011) 佐々木繁男「正義が目指した“日本派”「人人展」「東京展」」『ドキュメント 時代と刺し違えた画家 中村正義の生涯』中村正義の生涯出版委員会, p348

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